看護師不足の現状

看護師は現在、全国的に不足している傾向があります。よく耳にする求人倍率とは、労働者1人に対して何件の求人があるかということで、求人倍率が高いと売り手市場、逆に低いと買い手市場ということになります。現在日本全体の求人倍率は1.1~1.5程度で、就職難といっても1を下回ることはほとんどありません。

そんな中で、看護師の求人倍率は2.9と非常に高く、全国では6万人以上の看護師が不足していると言われています。つまり1人の求職者につき3件近くの求人があるわけです。求職者にとっては勤務先を選びやすいというメリットがありますが、3件の求人のうち2件は看護師が採用できないわけですから、看護師不足が続くことになります。現在その状況が続いていて、全国的に看護師は不足しており、多くの医療機関が求人を出している状態です。看護師が充足しているのは、ほんの一部の病院のみといえるのではないでしょうか。

看護師不足が進んだ原因として、健康保険の入院基本料の改定も挙げられます。現在の制度では、看護師一人に対して、何人の患者さんが入院しているかによって、保険から支払われる入院基本料が違ってきます。最も高いのが7対1、つまり患者さん7人につき看護師一人以上という病院で、そこから患者さんの数が増えるにしたがって、入院基本料は下がっていくのです。病院としては、患者さんに十分なケアを行うのはもちろん、経営的な観点からも看護師不足を解消することが必要になってきたということになります。その結果、常に看護師募集を行っている病院も多く、なかなか看護師不足が解消されない状況になっているのです。

現在では、病院のホームページなどに求人を載せるのはもちろん、求人上場士や看護師求人サイトなどさまざまな方法で看護師求人を行っています。看護師にとっては、情報収集もしやすく、採用もされやすいので転職しやすい環境だと言ってよいでしょう。だからといって、安易に転職を繰り返してしまうと、定着率の悪い人だということでマイナス評価になるので転職先はじっくり探すことが大切です。

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